CROWN1 LESSON3 A Canoe Ia an Island　和訳

2007 年に、ハワイ島のカヌーであるホークーレア号と、もう一隻の船カマ・ヘレ号は、ハワイからはるばる日本を目指して出港した。
内野加奈子は乗組員のひとりだった。これは彼女の物語である。

私は海のことをいつも愛していた。大学生の頃、友達と共に三宅島に訪れた。海を探検し、その美しさに恋に落ちた。この旅以来ずっと、私は海にとても関心を持っている。
海についてより多くのことを学ばなければならないと知っていたが、どこで勉強できるのか知らなかった。
そして、ナイノア・トンプソンとホクレア号に関する本を見つけた。私はこのハワイ先住民の師匠であるサタワル出身のマウ・ピアイルグからどのようにして伝統航海術を学んだかを読んだ。
また、1976 年にホクレア号が伝統航海術を用いて、ハワイからタヒチへの航海に成功したこともわかった。
私は海を渡るのに必要な古代の航海術にとても興味を持つようになった。ハワイに行き自分自身の目でホークーレア号を見ることを心に決めた。

大学を終えた後、私はハワイ大学で海洋生態学を学ぶためにハワイへ行った。私はホークーレア号を見に行った。船は長い航海から戻ってきていた。私は次の航海に向けてホクレア号の修理に加わりはじめた。私は乗組員の一員になるための訓練を受けた。伝統の航海法とハワイの文化を学んだ。
2007 年、ホークーレア号はハワイからミクロネシア、そして日本への 5 か月の航海を計画していた。私はミクロネシアから日本へ向かうカヌーのクルーの一員になるように言われたときに光栄に思った。
2007 年 1 月にホークーレア号は出港した。56 日目に、ミクロネシアのサタワルに着いた。島の人たちは私たちをあたたかく迎えてくれた。彼らは「サタワルヘようこそ」と書かれたカードを持って来てくれた。
それから私たちは沖縄に向かった。北斗七星が見えた。南十字星も見ることができた。約220の星の動きに精通していることは、必要な技術のただのひとつにすぎなかった。私たちはまた、波の動きや風の方向の変化を読み取ることも学んだ。私たちは沖縄に向かって進んでいた、ゆっくりとだが着実に。 

ホークーレア号にいる乗組員は忙しかった。いちばん大切な仕事はカヌーの舵を取ることだった。3 チームが代わる代わる操舵した。私のチームは午前 10 時から午後 2 時と、そして午後 10 時から午前 2 時まで舵を取った。カヌーの舵を取るチームは常に警戒し続けなければならなかった。
ある夜、海は珍しく穏やかだった。海は非常に静かで、海に星が反射するのさえも見ることができた。デッキには私だけしかおらず、とても穏やかな気分だった。私はまた、大いなる宇宙との強いつながりを感じた。私は小さなカヌーに乗るひとりの小さな人にであった。しかし実際は、私は大きな全体を構成する一部なのであった。
ミクロネシアを出たあと、私たちは約 2,000 キロの距離を旅した。星と太陽と波が私たちのガイドだった。
沖縄に近づくにつれて私は、私たちがひとつの大きな家族であるように感じた。それは朝のことだった。「見ろ！ なにかが見えるぞ」とクルーのひとりが叫んだ。それは島、沖縄だった。
しかしその瞬間、私にとってそれは、島以上のものであった。この広大な海の中に存在する陸、水、人々、そしてその他生命だった。それは本当に奇跡だった。 

2007年 6月9日、私たちは最終目的地である横浜に着いた。この航海を考えるほど、私は自然との関わりに深い感謝の念を持った。
伝統航海術は私たちに自然の見方を教えてくれる。また、自然は私たちが必要とするものすべてを提供してくれているとも教えてくれる。自然からの贈り物を受けとるために、私たちは自然がどのように働いているかを学ばなければならない。
ハワイの人々は「カヌーは島で、島はカヌーだ」と言う。私たちは地球を広大な宇宙に浮かぶカヌーと見なすこともできる。私たちは「私たちのカヌー」をどのように扱っているだろう？なにに価値を置くだろうか？そして、どこを目指したいのだろう。私たちのカヌーの乗組員として、私たちの役割はなんだろうか。日本への航海のあと、ホークーレア号はこれらの質問を提起するために、2014 年、世界一周の航海に出た。
私たちは全て自然の一部だ。私たちは、私たちのカヌーである地球をすべての生き物にとって、より美しく、より調和のとれた所にするために、自然と共に働くことを学ぶことができる。